定期的な外壁塗装は住宅の維持に欠かせませんが、費用の負担により先延ばしにしてしまう方も少なくありません。しかし多くの自治体では、条件を満たすことで外壁塗装やリフォームに関する助成金・補助金を利用できる可能性があります。この記事では、外壁塗装に使える助成金や補助金の概要、申請条件、手続きの流れについてくわしく解説します。
目次
助成金・補助金は大きくわけて2種類ある!違いも解説
外壁塗装を検討するとき、費用の負担が気になる方は多いでしょう。実は、一定の条件を満たせば国や自治体から補助金や助成金を受けられるケースがあります。助成金と補助金の違い
外壁塗装に活用できる支援制度は、補助金と助成金に大別されます。いずれも返済不要ですが、内容や目的に違いがある点を理解しておく必要があります。助成金は主に自治体が独自に運営するもので、地域の住宅環境の維持や居住環境改善などを幅広く支援するものです。一方、補助金は国の政策にもとづき省エネや環境対策の推進を目的とした制度です。つまり、補助金は国策に沿った取り組み、助成金は地域の課題解決を目的としています。
外壁塗装は、雨風や紫外線から住宅を守り、寿命を延ばす重要な工事です。断熱効果のある塗料を用いれば冷暖房効率を高め、省エネルギー化やCO2削減にもつながります。こうした目的のため、国や自治体は積極的に支援しているのです。
住宅省エネ2025キャンペーン
2025年現在、国の補助金制度としては住宅省エネ2025キャンペーンが実施されており、その事業のなかで外壁塗装が対象となるケースがあります。たとえば、子育てグリーン住宅支援事業では、外壁の断熱改修工事に対して最大60万円の支援が受けられます。また、先進的窓リノベ2025事業では、窓の断熱改修とあわせて実施する外壁断熱工事が対象で、補助は最大200万円までです。
助成金は自治体によって異なる
一方で、地方自治体が実施する助成金制度は、より幅広いリフォームを対象としています。外壁の塗り替えや防水性能の向上といった基本的な工事はもちろん、外観の美観改善や高齢者の生活を支える住環境整備、さらには空き家を再活用するためのリフォームなども含まれます。省エネ性能に限定されないため、比較的利用しやすい点が特徴です。ただし、自治体によって助成金の対象や金額、条件は大きく異なるので注意が必要です。
助成金・補助金に関する最新情報を調べる方法
外壁塗装を検討する際、助成金や補助金を上手に活用すれば、費用を大幅に抑えられます。ただし、制度は年度ごとに変更されることが多く、予算枠に達すれば早期に締め切られてしまうので、必ず最新の情報を調べることが欠かせません。ここでは、最新情報を調べる方法について解説します。自治体の公式サイトを確認する
多くの自治体は、住宅リフォーム支援制度や住環境改善助成制度などの名称で制度を設けており、公式サイトには助成金の詳細が掲載されています。もし公式サイトを見ても分かりにくい場合は、住宅政策課などの担当部署に直接問い合わせると、最新情報や細かな条件、申請のポイントなどを把握できるでしょう。支援制度検索サイトを利用する
住宅リフォーム推進協議会が運営する地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイトも便利です。都道府県や市区町村ごとに実施されている住宅リフォーム支援制度を一括して調べられます。概要や対象工事、問い合わせ先まで一覧できるため、比較検討に役立ちます。施工業者に相談する
地域で長く活動している業者は、地元自治体の助成金や補助金制度に精通している場合が多く、利用できる制度や申請に必要な条件についてアドバイスしてくれます。中には、申請に必要な書類の準備や手続きを代行してくれる業者もあり、初めての人にとっては大きな助けとなるでしょう。綾瀬市で助成金・補助金を申請したらどのくらいもらえる?
外壁塗装は、家を守り長持ちさせるために欠かせない工事です。しかし費用が高いため、少しでも負担を減らす方法として「助成金や補助金」が気になる方も多いでしょう。しかし残念ながら、綾瀬市には「外壁塗装そのもの」を対象とした補助制度はありません。つまり、塗装工事だけを行っても助成金をもらうことはできないのです。
その代わり、綾瀬市には個人住宅用再エネ・省エネ設備等導入費補助金という制度があります。これは太陽光発電や蓄電池、高効率の給湯器など、省エネや再生可能エネルギーの設備を取り入れるときに使える制度です。補助額は、たとえば太陽光発電なら1キロワットあたり1万円(上限3万円)、蓄電池や充電設備は最大5万円までとされています。
つまり外壁塗装をする際に、省エネ設備の導入もあわせて行えば、設備の部分で補助金を受け取るれるのです。外壁の見た目を整えると同時に、光熱費の削減や快適な住まいづくりにもつながるので、一石二鳥といえるでしょう。
助成金・補助金を受け取るための条件とは
外壁塗装を検討する際、工事費用の一部を補助してくれる助成金や補助金制度は大きな助けになります。しかし、誰でも無条件に利用できるわけではなく、自治体ごとに細かい条件が設定されています。税金の対応がないこと
申請の際は、多くの自治体で「市区町村税の滞納がないこと」が求められます。税金の未納がある場合は、ほとんどのケースで助成金を受けられません。制度は公共性の高いものであるため、納税義務を果たしていることが前提条件です。着工前に申請する
次に重要なのが、着工前に申請する必要があるという点です。工事が始まった後では補助対象外となるケースが大半で、事前に承認を得ることが条件です。外壁塗装の契約や着工を急ぐあまり、申請を忘れてしまうと補助が受けられなくなるため、スケジュール管理には十分注意しましょう。対象エリアであること
住宅の所在地が、自治体の対象エリア内にあることも条件です。助成金は地域の住環境改善を目的としているため、対象エリアが限定されるのは自然なことといえるでしょう。さらに、築年数や実際に居住しているかどうかなどの居住実態が条件に加えられる場合もあります。施工業者の条件
そのほかにも、施工業者に関しても制約が設けられるケースがあります。たとえば、地域経済の活性化を目的として、市内の施工業者に依頼することが条件とされている場合や工事費用に一定の下限額が定められていることも少なくありません。一定規模以上の工事でなければ支給の対象外となります。受付は先着順
注意しておきたいのは、助成金や補助金の受付が先着順となるケースが多い点です。予算には上限があり、一定の予算や件数を超えると締め切られてしまいます。そのため、制度を利用する際は早めに動き出すことが非常に重要です。申請期間は年度ごとに定められているため、募集開始時期を把握しておくことも大事です。
単独の施工は対象外となるケースも
助成対象となる工事の範囲にも制限があります。単独での外壁塗装は対象外とされる場合が多く、省エネ改修や耐震補強といった特定の工事に付随して行われる外壁塗装のみが認められることもあります。つまり、外壁塗装そのものが助成対象になるのではなく、他の住宅性能向上工事と組み合わせることで、初めて補助が受けられるケースがあるので注意が必要です。
助成金・補助金の申請方法と受け取りまでの流れ
外壁塗装を実施する際に、自治体が設けている助成金や補助金制度を利用できれば、費用の負担を大きく軽減できます。ただし、制度には必ず一定の手続きがあり、申請から受け取りまでの流れを理解していないと、制度を活用できないまま工事を進めてしまうことになりかねません。ここでは、一般的な助成金・補助金の申し込みから交付までのプロセスを説明します。制度の確認
最初のステップは、自分が住む自治体で外壁塗装が助成対象になっているかを確認することです。補助制度は市区町村ごとに内容が異なり、対象となる工事や補助金額、申請受付期間が毎年変更される場合があります。そのため、最新情報を必ず自治体の公式サイトや窓口で確認しておきましょう。申請期間が短いこともあるため、工事を検討し始めた段階から情報収集しておくのが理想です。
見積もり依頼
制度を確認したら、複数の施工業者に見積もりを依頼します。外壁塗装の工事内容や費用は業者によって差があり、さらに助成制度の申請サポートに精通しているかどうかも見極める重要なポイントです。目安として3〜5社ほどに見積もり依頼し、金額だけではなく、施工実績や信頼性、助成金を利用した工事経験の有無なども判断材料にすると安心です。
申請
業者が決まったら、次は申請手続きです。ここで重要なのは、必ず工事着工前に申請を済ませることです。多くの自治体では、工事が始まってしまったあとの申請は受け付けてもらえず、補助金の対象外となります。申請のタイミングは、着工予定日の少なくとも1週間前までが目安とされていることが多く、余裕をもって準備を進めましょう。提出する書類は自治体によって異なりますが、一般的には住宅の所有を確認できる書類、工事の見積書、工事前の状態を撮影した写真などが必要です。とくに写真は、後日工事完了後の状況と照合するために欠かせません。日付が分かる形で撮影し、外壁の全体や細部が分かるような記録が求められます。
審査
申請書類を提出すると、自治体により審査されます。審査期間は自治体によって異なりますが、1週間から数週間程度かかるのが一般的です。審査を通過すると結果の通知書が送付され、そこに助成金の交付予定額が記載されます。この通知を受け取る前に工事を始めると、補助が受けられなくなるため注意が必要です。工事開始
交付が決定したら工事を開始し、完了したら完了報告書類を提出します。完了報告では、工事完了届や助成金の請求書、工事代金の領収書、施工後の写真などが必要です。施工前と同じアングルで撮影した写真を添えることが求められるため、事前に記録しておいた工事前の写真と照らし合わせられるよう、整理しておくとスムーズです。また、省エネ設備の導入など、特定の条件を満たす工事の場合は、その性能を証明する書類が追加で必要になることもあります。